
『日ソ戦争—帝国日本最後の戦い』は、歴史学者の麻田雅文氏による著作で、第二次世界大戦末期の1945年8月から9月にかけて行われた日ソ戦争の全貌を詳細に描いています。
出版情報
項目 | 詳細 |
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出版社 | 中央公論新社 |
発売日 | 2024年4月22日 |
ページ数 | 304ページ |
ISBN | 978-4-12-102798-6 |
本の概要
本書は、1945年8月8日から9月上旬まで、満洲、朝鮮半島、南樺太、千島列島で展開された日ソ戦争を詳細に記述しています。
この戦争は、両軍合わせて200万人以上の兵力が投入され、玉音放送後も戦闘が続いた地域が存在するなど、戦後の国際情勢を見据えた戦争でした。
著者は新たに公開されたロシア国防省中央公文書館の資料や米国の収蔵資料を駆使し、ソ連の中立条約破棄、各地での戦闘の実態、そして終戦に至るまでの全貌を描き出しています。
著者について
麻田雅文氏は、1980年生まれの歴史学者で、岩手大学准教授として日中露関係史を専門としています。
特に、ロシア語資料を活用した研究で知られ、著書『シベリア出兵』などがあります。
本書でも、ロシアや米国の新資料を活用し、日ソ戦争の新たな視点を提供しています。
評価と感想
本書は、これまであまり語られることのなかった日ソ戦争について、多角的かつ詳細に描かれており、多くの読者から高い評価を受けています。
特に、戦後日本の国際的な立ち位置や対ロシア外交を考える上で重要な知見が示されていると評価されています。
重要なポイント
本書では、ソ連軍による日本の民間人への暴行や略奪、性暴力、そして集団自決など、戦争の悲惨さが詳細に記述されています。
また、ソ連の参戦がアメリカの要請によるものであったことや、ソ連兵の暴力行為の背景にある社会構造についても分析されています。
まとめ
『日ソ戦争—帝国日本最後の戦い』は、日ソ戦争の全貌を新資料をもとに明らかにし、戦後日本の国際的立ち位置や対ロシア外交を考える上で重要な一冊です。
戦争の悲惨さや国家間の複雑な関係性を理解するために、多くの読者に手に取っていただきたい作品です。